※前回の続きの為、最初から妄想が入ってます。取り扱いにご注意ください。

つかの間の休暇を過ごす



寂れた漁村での最初の夜は
村で唯一の食堂兼居酒屋を営む


ママとのサシ飲みで第2ラウンドがスタートです。
出張中に取れた休暇での滞在だったので、服装からして観光客には見えなかったのか
「珍しいねぇ。この時期に仕事でなんて」とママが言うので
「いやー。仕事というより仕事中にスケジュールが空いたんで
たまたまここに滞在することになっちゃって」と答えると


「へぇ。そういう仕事もあるんだねぇ」
と互いに会話のジャブを交わしたところで、今度は私のほうから
「このお店やって長いんですか?」と尋ねると
ママは
「この店は祖母ちゃんの時からやってるからねぇ。長いっちゃあ長いんだよ。
祖母ちゃんの次は母ちゃんが継いで、その次はアタシ。アタシが継いでからはもう2年になるかねぇ」
「昔は遠洋漁業とかで村も店も賑わってたみたいだけど、今はこのご時世だろ。若いモンはみんな都会に出ちまって、寂しいもんさ」
と答え、なんだか話が湿っぽくりそうだったので
「にしては料理の味はしっかりしてましたよ。どこかで修業されたんですか?」
とフォローすると


「若い頃はね、私も都会で自分の店持つんだって張り切ってた時があったからねぇ。ただ、結婚して子供産んでからはそれどころじゃなくなってさ。子供に手がかからなくなったら今度は親の面倒見なくちゃいけなくなって、それでこっちに戻ってきたという訳。色々あきらめた結果、夢が叶っちゃうなんて皮肉なもんさ」
「へえ。そういういきさつがあったんですねぇ」
「あんたも物好きだねぇ。こんな何も無い村にさ。この村にあるものと言ったら干物と雪ぐらいだよ?」
「まあ、それぐらいのほうが丁度休暇には良いんですよ」
「そうかい。良いところかどうかは分かんないけど、ゆっくりしていきな」
「ええ。明日は美味しい干物を楽しみにしてますよ」
と、話の切りが良くなって来た頃にはお酒も回ってきたので、お勘定を済ませて
その日の晩は宿に戻るのでした。

ということが今後あるかもしれないので、不要不急の外出は妄想だけにしておきますwww